
近年、高級志向のお客様が店頭で求めるものは、単なるブランドロゴではなく、細部の仕上げや掛け心地に宿る「圧倒的な実力」へと変化しています。
店主としてその期待に応えたいと考えたとき、真っ先に候補に挙がるのはやはり「鯖江ブランド」でしょう。
しかし、いざ仕入れを検討してみると、ブランドごとに得意とする客層や強みは千差万別です。
「今のうちの店のお客様に、最も喜ばれるのはどれだろうか?」「高単価でも納得していただけるだけの、明確な『語れる価値』があるだろうか?」
そんな答えを探しているオーナー様のために、本記事では高級志向のユーザーを虜にする、鯖江を代表する人気ブランドを厳選して解説します。
まずは鯖江メガネの人気ブランドを紹介します。

画像出展:Collection ALL MODELS | EYEVAN
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド背景 | 1972年に「着るメガネ」を掲げて誕生。アンティーク由来の意匠と職人による高品質が魅力 |
| 特徴 | きれいめにもカジュアルにも寄せられるデザイン幅。主張しすぎず、顔の雰囲気だけを上品に見せられる |
| 価格帯(目安) | 約2.8万〜4.4万円 |
| おすすめ層 | ・おしゃれに見えるメガネが欲しい ・服に合わせて雰囲気を変えたい ・黒縁だと重い ・老け見えが気になるが地味すぎるのも嫌 |
EYEVANは、1972年に「着る眼鏡」をコンセプトに生まれたメガネブランドです。
アンティーク眼鏡をデザインソースにしつつ、現代の顔に合うサイズ感やバランスに落とし込むのが上手で、服を着替えるように自分の印象をパッと変えたい人におすすめです。
EYEVANは、服装がシンプルな人ほど、かけるだけで「雰囲気」が出やすいので、普段の印象を変えたい人におすすめです。

T-11 : Poly-Ovalは柔らかな印象とキリッとした印象を両立したメガネとして人気)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド背景 | 鯖江のタナカフォーサイト社のオリジナル。自社工場による一貫体制で製造しており、安価ながらも高品質が魅力 |
| 特徴・魅力 | 小さめサイズ設計・バランス調整で普段着に溶けこむ。素材にチタンを使うモデルもあり、軽い掛け心地も抜群 |
| 価格帯(目安) | 2〜3万円前後 |
| おすすめ層 | ・初めて鯖江メガネを買いたい ・仕事でもプライベートでもおしゃれに使える一本が欲しい ・おしゃれに振り切るのは不安でも安っぽいメガネを避けたい |
tsuburaは、鯖江のタナカフォーサイトのオリジナルブランドで、自社工場で工程の多くを完結できる体制を背景に国産でも手に取りやすい価格帯を実現しているのが特徴です。
シンプルで人を選ばないデザインに加え、かけ心地や機能性も抜群。初めての鯖江メガネとしてもおすすめです。

金子眼鏡は、福井県鯖江を拠点に“つくるところから売るところまで”を自社で担う体制を築いてきた国産ブランドです。産地では分業が一般的な中で、ほとんどの工程を内製化し、自社一貫生産を進めている点が大きな特徴です。
この背景があるからこそ、見た目のデザインだけでなく「かけたときの収まり」「長く使ったときの安心感」といった「仕立ての良さ」に強みが出ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド背景 | 鯖江市内に複数工場を持ち、自社一貫生産を確立 |
| 特徴・魅力 | 工程の内製化により品質が安定。時代に左右されない独自のデザインが魅力。流行に寄せすぎず、結果的に長く愛用しやすい。 |
| 価格帯(目安) | 3万〜6万円前後 |
| どんな層におすすめか | ・国産・鯖江品質で失敗したくない ・長く使える一本が欲しい ・安いメガネだとズレる・疲れる ・地味ではなく上質に垢抜けたい |

画像出展:FN / FOUR NINES | 999.9 フォーナインズ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド背景 | 「眼鏡は道具である」を掲げ、機能性・掛け心地を重視する日本ブランド。 |
| 特徴・魅力 | 長時間でも疲れにくい設計で、日常のストレスを減らす。仕事メガネとしての満足度が高い。 |
| 価格帯(目安) | 3万円〜5万円前後 |
| おすすめ層 | ・とにかく疲れないメガネが欲しい ・毎日使うので品質を優先したい |
999.9は「眼鏡は道具である」という思想のもと、掛け心地・使用時の快適さを徹底的に追い込むブランドです。
「見た目がいい」だけではなく、長時間の作業や移動でも疲れにくい方向に価値が置かれているため、「毎日使うメガネでストレスを減らしたい」人におすすめです。

増永眼鏡(MASUNAGA)は、1905年創業の鯖江の老舗メーカーとして知られ、品質第一主義を掲げるメガネブランドです。
増永眼鏡は、デザインから完成まで400の工程を一貫体制で製造。それだけでなく、販売も自社で行っていることから他社では実現できない価格と品質を提供しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド背景 | 1905年創業。品質第一主義を継承し、鯖江産の歴史の起点とも言われる老舗。 |
| 特徴・魅力 | つくりの良さ・堅牢さで「長く使う前提」に向いている。高級感があり、「かけ心地やデザインすべてが良いメガネが欲しい」という本物思考向けメガネ。 |
| 価格帯(目安) | 4万円〜8万円前後 |
| おすすめ層 | ・丈夫で長持ちする一本が欲しい ・良いものを長く使いたい ・メガネが歪みやすい・壊れやすい ・メガネを頻繁に買い替えたくない |

画像出展:ayame online store | アヤメオンラインストア
ayameは「温故知新」を掲げ、クラシックを踏襲しながらも、シルエットやバランスでしっかり今っぽく見せるブランドです。
鯖江の熟練職人が1本1本手作りで磨きあげており、職人の技が光るメガネとなっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド背景 | 本場鯖江で修行をしたデザイナーが設立したブランド。 |
| 特徴・魅力 | “ただのクラシック”では終わらない絶妙なデザイン。かけるだけで空気感が洒落る。 |
| 価格帯(目安) | 2万円〜5万円前後 |
| おすすめ層 | ・センス良く見える一本が欲しい ・定番でも差を付けたい ・何を選んでも普通になる、垢抜けたい |
前述したメガネブランドの他にも、鯖江で人気のメガネブランドはたくさんあります!
福井県鯖江市は、メガネの産地として国内で極めて高いシェアを誇り、「世界三大産地」の一つにも数えられる高度な技術を持っています。
そんな鯖江メガネブランドが人気の理由をまとめました。
「鯖江のメガネは品質が良い」という認識は、現在、消費者の間に着実に浸透しています。
実際に、鯖江市の眼鏡枠製造におけるチタンの加工技術の精度は極めて高く、その品質は世界トップクラスであると評価されています。
日本国内はもちろん、海外からも厚い信頼を寄せられており、いまや鯖江産であることは「信頼の証」となりました。
その一方で、消費者意識調査では「鯖江ブランドの魅力がまだ十分に伝わりきっていない」という指摘もあり、今後の鯖江ブランドの人気沸騰が期待されています。
国内における個人消費の回復に加え、訪日外国人による需要の拡大が、実店舗の販売を強力に支えています。
ジャパンアイウェアホールディングス(Japan Eyewear Holdings株式会社:JEH)の報告によると、直近のインバウンド売上は約16億円に達しており、その急成長ぶりがうかがえます。
これは、鯖江市の熟練職人が生み出す高度なデザインが、海外のお客様からも高く評価されている結果だと言えるでしょう。
矢野経済研究所の調査においても、鯖江ブランドの認知拡大に伴い、高価格帯フレームへの関心が高まっていることが報告されています。
その結果、メガネの平均単価は緩やかな上昇傾向にあります。
これまでは廉価な商品が中心だった市場ですが、現在は「適正な価格で、長く使える国産の高品質なフレーム」を求める消費者が増えており、価格帯の選択肢において多様化が進んでいます。
参考:Japan Eyewear Holdings:国内発の競合が存在しないラグジュアリー・アイウェア販売で高成長続く
鯖江ブランドがこれほどまでに支持される理由は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の4つのポイントに集約されます。
福井県鯖江市には約450社もの眼鏡関連企業が集まっており、部品製造から組み立てまで、各工程のプロフェッショナルが分業でものづくりを行っています。
100年以上の歴史の中で磨かれた匠の技と、地域全体で一本のメガネを作り上げる一貫体制が、圧倒的な品質向上を支えています。
こうした伝統や職人たちの物語は、単なる製品を超えたブランド価値となり、多くの消費者の共感を呼んでいます。
デザインの美しさだけでなく、機能性と品質を高い次元で両立させている点も特徴です。
鯖江産のフレームは一本あたり約250もの緻密な工程を経て作られます。
この徹底したプロセスがあるからこそ、歪みやネジの緩みが少ない、安定した品質が約束されているのです。
それぞれのブランドが価格設定を明確にしており、お客様のライフスタイルや予算に合わせた提案ができている点も強みです。
たとえば、『tsubura』は2万5千円前後というリーズナブルな価格で若い世代の心をつかみ、『EYEVAN』は4〜5万円台で洗練されたモダンなデザインを提供しています。
また、『999.9(フォーナインズ)』や『金子眼鏡』といった上位ブランドは、5〜6万円台という価格に見合う品質とステータスを兼ね備えており、それぞれのターゲット層に響く魅力的なラインナップが揃っています。
ブランド側が発信する情報の分かりやすさも、人気の重要な要素です。
鯖江ブランドの多くは、製造背景やブランド理念を明確に打ち出しているため、お店のスタッフがその魅力を伝えやすいというメリットがあります。
例えば『999.9』の「眼鏡は道具である」という潔いコンセプトは、そのまま商品説明の説得力に繋がります。
こうした一貫したメッセージがあるからこそ、選ぶ側にとっても「なぜこのメガネが良いのか」が納得しやすくなっているのです。
長年にわたって人気が安定しているブランドには、店舗側から見ても「信頼して提案できる」共通の条件があります。ここでは、小売店視点での重要なポイントを2つご紹介します。
主力商品の型番やデザインが、長期間にわたって安定的に供給されていることは非常に重要です。
人気の定番モデルが欠品することなく店頭に並び続けることで、お客様の期待を裏切らず、信頼関係を築くことができます。
ロングセラー商品を大切に作り続ける製造体制は、ブランドの安定した人気を支える不可欠な要素です。
ご購入後のアフターサービス体制も、ブランド選びの大切な基準です。
フレームを支える細かなパーツの供給がスムーズで、修理や調整に迅速に対応できることは、お客様の満足度に直結します。
鯖江ブランドは国内生産であるため、海外ブランドに比べて部品調達がしやすく、万が一の際も丁寧なアフターケアを受けられるのが大きな魅力です。
鯖江産メガネブランドがこれほどまでに人気を集めているのは、産地ならではの高度な技術力や、職人たちの熱いストーリーが多くの人々に届き、ブランドとしての認知が大きく広がった結果だと言えます。
さらに、国内市場の活気ある回復やインバウンド需要の拡大、そして「本当に良いものには投資したい」という高価格帯への関心の高まりも、大きな追い風となっています。
お店の担当者様にとっても、こうした市場の動向を捉えることは非常に重要です。
定番モデルが安定して手に入り、万全のアフターサービスが整っているかといった「安心感」を重視しながらブランドを選ぶことで、お客様とより深い信頼関係を築けるはずです。
進化し続ける鯖江のメガネブランドから、今後も目が離せません。